春遠からじ

   

 *水仙を抱へて訪へば病室の
          あなたはすでに身罷りてをりぬ     短歌


 *道野辺に矜持を隠す野水仙               俳句


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    *平成の岸壁に立つ家族会                川柳  


  *平らかに成ると聞きしは空耳か             川柳                
  
残った拉致者を返してほしい。
安倍総理は今月ロシアに行くという。
ついにあの国には行かず、平成の幕が閉じられるのかと思うと
断腸の思いである。
言いたくはないが、氏は子を持たないので、親子の情を
知らないのではないか、と、いぶかしくさえ思ってしまう。
北の島よりも先ず人だろう。人への愛だろう。
拉致された人達が帰って来るまでは
平成が終わったとは思いたくない。
思えない。


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短歌は29歳で逝った末弟を詠んだ。
卓と幹という二人の子を遺した。(三才とゼロ歳だった。)


題名はシェリーの<西風に寄す>からつけた。
<北風に寄す>の積もりである。
<北風よ 思いあらば伝えてよ
 北に拉致された人々は今如何に、
 甥と姪は今如何に、・・・>
 弟は青森に婿に行った。
 ・・・冬来たりなば春遠からじ、となればいいけれど・・・
     (シェリー・・・・イギリスの19世紀の詩人、
   日本では"西風に寄す"と訳された詩で有名)