(続き)宗教の話

ずいぶんいろいろの宗教を見てきた。
私自身もどこかの宗教に入っていたら生きるのに楽だろうと思うことがある。


十五の時から学校ではキリスト教漬けであった。
でもよくわからない神様とか仏様とか信じるには心のどこかでNOという声を聴く。
この世にはどれほど多くの神様、仏様がいることであろう。そして人間の争いは
少しもなくならない。


下手な絵を描く。仏画を描いたときのことである。
百手観音とか千手観音とかあるが、人間の欲望を手で現わしていると知って
止めてしまった。少しづつ手が多くなって私など万の手を描かねばならなくなる。
所詮宗教は人間の欲望の代償になるものに他ならないと思う。


「人間は泣いて生まれてきた」とよく言う。
私は泣いてこの世から去っていくだろう。
こころにそう決めている。


 神様は無口返事もなさらない
 神様に告げ口したきことばかり
 戦いが好きな神様ばかりなり     (川柳)