年賀状云々

   

   

   年賀状の季節になった。
   以前俳画というものを習ったときのことである。
   その中に日展入選という腕前の人がいた。
   講師の人もあきれるほどの字の上手さだった。
   私も自分の書の拙さに一念発起、いろいろ勉強して
   みたがとても及ばなかった。


   篆刻なども自己流でやってみた。
   四、五年前から年賀状は諦めた。
   もう辞めます、と一片の通知を送ってみなやめてしまった。


   下は亡父の手紙である。広告の裏などに書いてある。
   これでいいんだ、これでよかったんだ、と今は思う。
   好きな朝顔のこと、我が家の二人の孫のこと、父が飼って
   いた十姉妹のことなど書いてある。(我が家でも飼っていた。)
   29歳で死んだ末子の法事のことなど書いてある。


   いろいろな時、いろいろなことが書いてあった。
   捨てられずまだ持っている。


   字なんかどうでもいいのである。これが私の宝である。
   皆さんもお手紙、年賀状など書いてみてください。
   但し印刷はいけません。