マトリョウシカとこけし

      

       ロシアのお人形、マトリョーシカはなんと日本の
       こけしからヒントを得たものであると知って
       驚いている。


       19世紀、ロシアから来た高官が<箱根の入れ子>を
       本国に持ち帰りそれがマトリョーシカに変化したそうである。


       ロシア文学が好きである。
       一番のお気に入りはチェホフの<ワーニャ伯父さん>!
       当然マトリョーシカはそれ以前からあるものと思っていた。
       ロシアの農奴とともに生まれたと思っていた。


       こけしがその源流だなどと今でも信じられない。
       こけしにはさんざん親しんできた。


       母の実家が東北の鳴子なので行くたびに求めて
       戸棚が沈むほど集めていた。


       でも破産して夜逃げ同然、すべてを失った。
       マトリョーシカを貼り絵で作ってみようと思ったとき
       もしやこけしが呼んだのだろうか。


       この下手なはり絵は私を慰めてくれる。
       失ったこけしが帰ってきたように。


       いいんだよ、人生っていろいろあるからっと
       言っているような目をして私を慰めてくれる。


       元気出せ!ファイト!
       今日も元気を自分の絵からもらう。